リピタス 開業を相談
← 税理士事務所開業ガイド(TOPページ)へ戻る

WHY SOLO IS DIFFERENT

一人税理士は「時間」が最大の制約になる

一人(ひとり)で開業する税理士は、実務(記帳・申告・相談)も、営業(顧問先獲得)も、事務(請求・入金管理・スケジュール調整)も、すべて自分一人でこなすことになります。専門性の高さで独立できても、案件が増えるほど手が回らなくなり、「相談は来るのに対応が追いつかない」という状態に陥りやすいのが一人運営です。

ここで効くのが、やる順番を時系列で決めておくことと、最初から手放すものを決めておくこと。開業直後に何もかも自力でやろうとすると、繁忙期に一人でパンクします。逆に「自分がやるべき仕事」と「仕組み・外注に任せる仕事」を開業前に線引きしておけば、案件が増えても時間の使い方が崩れません。

このページでは、開業6ヶ月前から開業後までを時系列で追いながら、各フェーズで「自分でやること」と「仕組み・外注に任せること」を切り分けます。※以下の期間・数値はいずれも一般的な傾向にもとづく目安であり、取扱分野・地域・準備状況により異なります。

ROADMAP

一人税理士・開業までの時系列ロードマップ

各フェーズで「自分でやること」と「仕組み・外注に任せること」を切り分けておきます。

01
開業6ヶ月前

登録準備と事務所の全体設計

まず税理士名簿への登録要件(実務経験の通算年数など)と手続きの流れを確認し、登録スケジュールを逆算します。同時に「どんな一人事務所にするか」——取扱分野(法人・個人・相続など)、想定する顧問件数の上限、目標顧問料の設計を固めます。一人で回せる件数には物理的な上限があるため、規模の欲張りはこの段階で捨てておくのが賢明です。

  • 自分でやる:登録要件の確認と登録スケジュールの逆算
  • 自分でやる:取扱分野・目標顧問件数・料金の方針決め
  • 仕組み/外注に任せる:登録手続きの不明点は税理士会の窓口を活用
  • 仕組み/外注に任せる:資金/計画の詳細は専用ガイドで固める
02
開業3ヶ月前

事務所・会計ソフト・HPの土台づくり

自宅開業かレンタル・賃貸かを決め、一人でも回る実務インフラを整えます。記帳・申告ソフト、電子申告環境、クラウド会計、そして問い合わせの入口になる事務所HP・Googleビジネスプロフィール。ここで「後から人手で埋める前提の仕組み」を選ぶと、一人運営では確実に手が足りなくなります。最初からクラウド・自動化前提で選ぶのが鉄則です。

  • 自分でやる:事務所形態の決定と実務環境の選定
  • 自分でやる:取扱分野に合う会計/申告ソフトの選定
  • 仕組み/外注に任せる:HP制作・面談予約フォームの設置
  • 仕組み/外注に任せる:クラウド会計で記帳の自動取込を前提化
03
開業1ヶ月前

届出と初回相談の受付導線を用意

税務署へ開業届・青色申告承認申請を提出し、屋号を届け出ます。並行して、開業直後に来る問い合わせを取りこぼさない初回相談の受付導線を用意します。一人だと電話や日程調整の往復が作業を止めるため、HP・LINEから相談予約が入る仕組みを開業前に立ち上げておくのが要点です。

  • 自分でやる:開業届・青色申告承認申請の提出
  • 自分でやる:名刺・開業案内・紹介依頼の準備
  • 仕組み/外注に任せる:初回相談の予約受付をオンライン化
  • 仕組み/外注に任せる:問い合わせ→面談の日程調整を自動化
04
開業直後

顧問先獲得と、業務の「型」づくり

最初の顧問契約を積み上げながら、同時に業務を型化します。一人運営では「案件ごとに毎回ゼロから考える」時間が命取り。初回面談のヒアリング項目、見積・契約の流れ、月次の作業手順をテンプレート化し、二件目・三件目を同じ型で回せるようにします。この段階で型を作れるかどうかが、後の忙しさを大きく左右します。

  • 自分でやる:初回面談・顧問契約の獲得
  • 自分でやる:ヒアリング/月次業務の手順テンプレ化
  • 仕組み/外注に任せる:顧客/顧問先情報を一元管理する仕組み
  • 仕組み/外注に任せる:面談リマインド・連絡の自動化
05
開業後

仕組み化して「自分の手を空ける」

顧問先が増えてきたら、自分がやらなくてよい作業を段階的に手放します。請求・入金確認は自動化、単純な記帳や資料回収はクラウド・補助人員へ、面談予約と顧客管理は仕組みに任せる。空いた時間を相談対応・提案・新規獲得という「一人税理士にしかできない仕事」に振り向けるのが、この段階のゴールです。

  • 自分でやる:相談対応・提案・関係構築(人にしかできない仕事)
  • 自分でやる:手放す業務の見極めと基準づくり
  • 仕組み/外注に任せる:請求・入金管理・リマインドの自動化
  • 仕組み/外注に任せる:記帳補助・資料回収などの定型作業

※ 期間はあくまで目安です。登録手続きの進み方や準備状況により前後します。登録要件・手続きの詳細は事務所所在地を管轄する税理士会・税務署へご確認ください。

SYSTEMIZE

一人だからこそ、最初から仕組み化すべき業務

「増えてから考える」では、一人運営は繁忙期に間に合いません。

📅

面談予約の自動化

電話やメールでの日程調整は、一人だと作業を中断させる最大の要因です。HP・LINEから初回相談の予約が入り、空き枠から自動で確定する仕組みにしておけば、往復のやり取りが消えます。予約・顧客管理の仕組み化は、別ページ(子記事02)で詳しく解説しています。

🗂️

顧客・顧問先の一元管理

見込み客と既存顧問先の情報が頭やバラバラのメモにあると、一人では必ず抜け漏れが出ます。相談履歴・契約状況・進捗を一箇所にまとめ、誰への対応が残っているかが一目で分かる状態を最初から作ります。

🧮

記帳・申告ソフトの自動化

銀行明細やレシートの自動取込、仕訳の自動化に対応したクラウド会計を前提にすると、一人でも扱える顧問件数が増えます。手入力前提のソフトを選ぶと、件数が増えた瞬間に時間が破綻します。

💳

請求・入金管理の自動化

毎月の顧問料請求・入金確認・未入金の督促は、地味に時間を奪う定型作業です。請求書の自動発行と入金消込を仕組みに任せ、自分の時間を相談・提案に振り向けます。

🔗 テーマ別にもっと深く知りたい方へ

一人税理士の開業は、テーマごとに掘り下げると準備が具体的になります。以下の子記事もあわせてご覧ください。

PROTECT YOUR TIME

一人運営の「時間の守り方」

一人税理士の生産性は、集中できる時間をどれだけ確保できるかで決まります。

🚫

相談対応で作業が中断しない工夫

申告作業のような集中を要する仕事が、電話や飛び込みの相談で細切れになると生産性が大きく落ちます。問い合わせは予約制・オンライン受付を基本にし、相談は特定の曜日・時間帯にまとめる。「いつでも対応」をやめることが、一人では品質を守る近道です。

📆

繁忙期の予約枠を先に制御する

確定申告期など繁忙期は、新規相談の受付枠を意図的に絞ります。予約システムで受付可能な枠をあらかじめ制限しておけば、「受けたのに手が回らない」を防げます。繁忙期に無理に取った案件が、品質低下や信用の毀損につながることもあります。

🧱

定型作業は時間ブロックでまとめる

記帳確認・請求処理・メール返信などの定型作業は、思い立った時にやると一日が細切れになります。曜日や時間帯を固定してまとめて処理する「時間ブロック」を決めると、一人でも段取りが安定します。

🤝

抱え込まず、早めに手放す前提を持つ

一人だと「自分でやったほうが早い」と抱え込みがちですが、それが成長の頭打ちを生みます。記帳補助・資料回収・請求などは、仕組みや補助人員に早めに渡す前提を最初から持っておくことが、相談・提案の時間を守ります。

PITFALL

一人税理士の失敗パターンと対策

一人運営でつまずきやすい典型と、その避け方です。

1

何もかも自分でやろうとする

記帳・請求・日程調整まで全部抱え込み、相談対応や新規獲得の時間が消える。対策:開業前に「自分がやること/手放すこと」を線引きし、定型作業は最初から仕組み・外注前提で設計する。

2

受付を人力運用で始めてしまう

電話とメールで日程調整するうちに作業が中断し、繁忙期に問い合わせを取りこぼす。対策:HP・LINEからの予約受付をオンライン化し、日程調整の往復をなくしておく。

3

繁忙期に案件を取りすぎる

断れずに受けた結果、品質が落ち、既存顧問先のフォローも手薄になる。対策:繁忙期は新規受付枠を先に絞り、受けられる件数の上限をあらかじめ決めておく。

4

顧問先情報を頭とメモで管理する

契約状況や相談履歴が散在し、対応漏れや二重連絡が起きる。対策:顧客・顧問先情報を一元管理し、残タスクが一目で分かる状態を作る。

5

業務を型化しないまま件数を増やす

案件ごとに毎回ゼロから考え、件数が増えるほど時間が破綻する。対策:初回面談・月次業務の手順をテンプレート化し、同じ型で回せるようにしておく。

CHECKLIST

一人税理士・開業前の実行チェックリスト

開業前に、ひととおり確認しておきたい項目です。

  • 税理士名簿への登録スケジュールを、開業日から逆算して立てた
  • 一人で回せる顧問件数の上限と、目標顧問料を数字で決めてある
  • 会計・申告ソフトを「自動取込・クラウド前提」で選んでいる
  • 初回相談の予約受付を、開業前にオンラインで立ち上げてある
  • 「自分でやること」と「仕組み・外注に任せること」を線引きした
  • 初回面談・月次業務の手順をテンプレート化する準備をした
  • 繁忙期の新規受付枠を制御する運用ルールを決めてある
  • 請求・入金管理を自動化する仕組みを用意した
  • 生活費を含めた運転資金を、目安として半年分ほど確保している

※ 登録・届出・資金に関する要件は改定されることがあります。最新の要件は所属する税理士会・税務署・金融機関の公式情報をご確認ください。

FAQ

一人税理士の開業・よくある質問

一人で、どこまで顧問先を回せますか?
取扱分野や業務の型化・自動化の度合いによって大きく変わるため一概には言えませんが、一人運営では「件数の上限」を先に決めておくことが重要です。記帳・請求・日程調整などの定型作業を仕組みや外注に任せるほど、相談・提案に使える時間が増え、無理なく持てる件数も広がります。まずは自分が集中すべき仕事を守れる範囲で件数を設計するのがおすすめです。
繁忙期は一人で乗り切れますか?
確定申告期などの繁忙期を一人で乗り切る鍵は、「先に受付枠を絞ること」と「定型作業を仕組みに任せること」です。予約システムで新規相談の受付枠をあらかじめ制限し、記帳補助や請求などの作業を手放しておけば、集中すべき申告業務に時間を割けます。無理に案件を取りすぎると品質低下につながるため、受けられる上限を決めておくことが大切です。
何を外注・仕組み化すべきですか?
目安として、「自分でなくてもできる定型作業」から手放すのが基本です。面談予約の日程調整、請求・入金管理、単純な記帳や資料回収などが代表例です。一方で、相談対応・提案・関係構築といった「税理士にしかできない仕事」は自分の時間を確保して行います。まずは予約受付と顧客管理の仕組み化から始めると、効果を実感しやすいです。
一人税理士の開業まで、どのくらいかかりますか?
準備状況によりますが、登録手続きを含めると数ヶ月かかることが一般的です。このページのロードマップでは、開業6ヶ月前の登録準備・全体設計から、3ヶ月前の事務所・ソフト・HP、1ヶ月前の届出・受付導線、開業直後・開業後という時系列で整理しています。あくまで目安のため、登録の進み方によって前後します。詳細は管轄の税理士会・税務署へご確認ください。
開業準備の段階から相談できますか?
はい。まだ構想段階でも問題ありません。面談予約の自動化や顧客・顧問先管理など、一人でも回る事務所づくりの仕組みは、開業前から設計しておくほど開業後がスムーズになります。当社の予約・顧客管理システム「リピタス(RepiTas)」も、初回相談の受付から面談前後のやり取りまでを支える選択肢のひとつです。しつこい営業はいたしませんので、お気軽にご相談ください。
税理士開業を相談する