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INTRO

「一元管理」という言葉の中身は、会社ごとに違います

2店舗目を出した時点で、予約管理の難易度は2倍ではなく、それ以上に上がります。 スタッフが両店を行き来する、お客様が「近いほうの店」に来る、本部が全体の数字を見たい、店長ごとに運用の癖がある—— 1店舗のときには存在しなかった問題が、いっぺんに出てきます。

このとき「多店舗対応」と書かれた製品を選べば解決する、と考えると失敗します。 同じ「多店舗対応」でも、顧客情報を全店で共有する前提の製品と、店舗ごとに完全に分離する前提の製品では、まったく別物です。 自社がどちらを必要としているかを決めないまま比較すると、機能が多いほうを選んでしまい、後で運用が合わなくなります。

このページの使い方

10の論点について、自社の答えを先に決めてください。決まった答えを持って製品を見ると、比較が一気に速くなります。 「多店舗管理システムとは何か」という全体像は別ページで扱っています。 ここでは、選定のための判断軸に絞ります。

10 POINTS

決めるべき10の論点

それぞれ「共通にする/店ごとにする」を決めてください。

01

顧客情報を、全店で共有するか

最も重要な論点です。A店の会員がB店に行ったとき、B店で来店履歴が見えるべきか。見えるべきなら、顧客データベースは全社共通にする必要があります。ただし、店舗ごとに独立した商売として運営している場合や、個人情報の取り扱い方針上、店をまたいで見せたくない場合もあります。ここを決めずに導入すると、後から構造を変えるのは大がかりな作業になります。

決めること

共有する/店ごとに分ける

02

店舗をまたいだ予約を、受けるか

「いつもはA店だけど、今日は職場近くのB店で」という予約を認めるか。認めるなら、予約画面で店舗を選ぶ導線が必要になり、空き枠も横断で見せることになります。認めないなら、店舗ごとに独立した予約ページで十分です。飲食や物販では横断が自然ですが、担当者との関係が強い業種では、あえて分けたほうが運用が安定することもあります。

決めること

横断を許す/店舗ごとに閉じる

03

メニューと料金を、共通にするか

全店同じメニュー・同じ料金なら、本部で一括登録できる形が圧倒的に楽です。一方、立地によって価格が違う、店舗限定メニューがある、という場合は、共通部分と個別部分を分けて持てる必要があります。「共通メニュー+店舗独自メニュー」という二層構造に対応しているかは、必ず確認してください。

決めること

全店共通/共通+個別/完全に個別

04

誰が、どこまで見られるか

店長は自店だけ、エリアマネージャーは担当エリア、本部は全店。この権限の階層が製品側で表現できるかは、店舗数が増えるほど効いてきます。全員が全店を見られる設計だと、情報管理の面で問題が出ます。逆に、店長が自店の設定すら変えられないと、現場が回りません。実際の組織図に当てはめて確認してください。

決めること

階層の数と、各階層の権限範囲

05

営業時間・休業日を、店ごとに設定できるか

当たり前のようですが、製品によっては全店共通でしか設定できないものもあります。立地によって営業時間が違う、店舗ごとに定休日が違う、臨時休業を店長が自分で登録したい——この3つができるかを確認してください。できないと、本部への連絡と設定依頼が毎回発生します。

決めること

店ごとに独立設定できるか

06

スタッフが複数店舗を兼務する場合

週の前半はA店、後半はB店というスタッフがいる場合、そのスタッフの予約枠が両店で正しく管理される必要があります。これができていないと、同じ時間に両店で予約が入る、という事故が起きます。兼務が発生する運営なら、この点は必須要件になります。

決めること

兼務スタッフの枠管理

07

数字を、どの単位で見たいか

全社の合計、店舗別、エリア別、スタッフ別、メニュー別。本部が意思決定に使う切り口を先に決めておくと、必要なレポート機能が明確になります。「とりあえず全部見たい」だと、どの製品を見ても足りないか、多すぎるかのどちらかになります。

決めること

見たい切り口を3つに絞る

08

新店を出すときの、立ち上げの手間

出店ペースが速い会社では、ここが実務上の分かれ目になります。既存店の設定を複製して新店を作れるか、それとも毎回ゼロから設定するのか。10店舗を超えたあたりから、この差が効いてきます。将来の店舗数を想定して確認してください。

決めること

複製で立ち上げられるか

09

費用が、店舗数に対してどう増えるか

1店舗ごとに月額が積み上がる形か、一定の店舗数までは定額か。出店計画がある場合、5店舗時点・10店舗時点の月額を試算しておくべきです。初期は安くても、店舗数が増えると想定外の額になることがあります。契約単位(会社単位か店舗単位か)も併せて確認してください。

決めること

5店舗時・10店舗時の試算

10

運営形態が変わったときに、対応できるか

直営だけだったところにFCが加わる、暖簾分けで独立する店が出る、店舗を譲渡する。こうした変化が起きたとき、顧客データや予約データをどう分けるのかを事前に確認しておくと安心です。「切り出せない」構造だと、将来の選択肢が狭まります。

決めること

データの分離・移管ができるか

BY STRUCTURE

運営形態で、答えは変わります

同じ「多店舗」でも、必要な構造がまったく違います。

共通化が正解

直営(同一法人)

同じ会社が全店を運営している場合、顧客情報も、メニューも、数字の見方も共通にするのが基本です。店舗をまたいだ来店も歓迎すべきで、横断の予約と履歴共有が最も価値を発揮する形。権限は階層で分け、本部が全体を、店長が自店を見る構成にします。

統一と自治の折衷

フランチャイズ

本部と加盟店は別の事業者です。ブランドとして統一すべき部分(予約画面の見た目、基本メニュー、通知文面)と、加盟店の裁量に任せる部分(営業時間、スタッフ、独自メニュー)を明確に分ける必要があります。顧客情報の帰属や、加盟店が離脱するときのデータの扱いは、契約の段階で決めておくべき論点です。

分離が前提

暖簾分け・独立系

元は同じ店でも、いまは別の経営体。それぞれが独立して運営できることが前提で、共有するのは予約サイトの入口くらい、というケースも多い。無理に一元化しようとすると、かえって運用が破綻します。緩やかにつなぐ設計を検討してください。

論点直営FC暖簾分け
顧客情報全店共有要・契約での取り決め分離
店舗またぎ予約許可ブランド方針次第通常は不要
メニュー共通共通+個別個別
権限階層で分ける本部と加盟店で明確に分離各店が独立
契約法人単位本部一括/加盟店個別店舗ごと

PITFALLS

多店舗導入で、つまずくところ

技術ではなく、進め方の問題であることがほとんどです。

01

全店同時に切り替える

1店舗で試して問題を出し切ってから広げてください。全店同時だと、問題が起きたときに全店が止まります。加えて、最初の店で見つかった改善点を、残りの店の導入時に反映できるという利点もあります。

02

店長の運用の違いを、無視する

店ごとに予約の受け方や枠の刻みが違うのには、たいてい理由があります。本部が一方的に統一すると、現場で「使えない」と判断されて、裏で紙の台帳が復活します。統一すべき部分と、店に任せる部分を最初に合意してください。

03

既存データの移行を、後回しにする

店舗ごとに顧客リストの形式がばらばら、という状態はよくあります。統合するなら、名寄せのルール(同一人物をどう判定するか)を先に決める必要があります。移行してから考えると、重複だらけのデータベースができあがります。

04

本部だけで決めて、現場に落とす

使うのは現場です。設計の段階で、少なくとも1人は店長を巻き込んでください。本部が想定していなかった運用が、必ず出てきます。導入後に判明すると、修正の手間が数倍になります。

05

店舗数が増えたときのことを、考えていない

3店舗で問題なく動いていても、10店舗になると設定作業の量、権限管理の複雑さ、費用の総額がまったく違います。出店計画があるなら、その規模で試算してから決めてください。

線引きが決まっていれば、それに合わせて作れます

当社の予約・顧客管理システム「リピタス(RepiTas)」は自社で開発しているため、 「顧客情報は全店共有、ただしこの項目だけは店舗内に閉じる」「店長には自店の営業時間だけ触らせる」といった、会社ごとの線引きに合わせた設計をご相談いただけます。 既製品の型に運用を合わせる必要がありません。※内容により別途費用と期間が必要です。

料金は月額11,000円〜、初期費用0円〜。まず1店舗で試してから全店へ広げる、という進め方にも対応しています。 FC本部としてのご相談や、自社ブランドでの提供(OEM)についても承ります。

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FAQ

よくある質問

Q. 店舗ごとに別々のシステムを使っていますが、統合できますか?
技術的には可能ですが、まず統合する目的を明確にしてください。全社の数字を1か所で見たいのか、顧客情報を共有したいのか、設定作業を減らしたいのかによって、必要な統合の深さが変わります。既存データの移行では、店舗ごとに形式が違うことが多いため、名寄せのルールを事前に決めておく必要があります。
Q. 顧客情報を全店で共有すると、個人情報の面で問題はありませんか?
取得時に示した利用目的の範囲を超える場合は、あらためて同意を得るなどの対応が必要になります。「A店で取得した情報をグループ全店で利用する」という前提であれば、その旨を取得時に明示しておくのが基本です。運用のルールは自社で定めていただく前提ですが、システム側でアクセス範囲を制御できるかは選定時に確認してください。
Q. スタッフが複数店舗を掛け持ちしています。対応できますか?
対応可否は製品によります。掛け持ちがある場合、そのスタッフの予約枠が両店で正しく管理されないと、同じ時間に両店で予約が入る事故が起きます。兼務が日常的に発生する運営であれば、これは必須要件として最初に確認すべき点です。
Q. 本部が全店の数字をリアルタイムで見られますか?
多くの多店舗対応システムで可能ですが、見られる切り口は製品によって差があります。全社合計・店舗別までは標準的でも、エリア別、スタッフ別、メニュー別となると対応が分かれます。本部が意思決定に使う切り口を3つ程度に絞ってから確認すると、比較が速くなります。
Q. 将来フランチャイズ展開する予定があります。今から準備できますか?
できます。むしろ直営のうちに、共通化する部分と加盟店の裁量に任せる部分の線引きを整理しておくと、FC展開時の設計がそのまま流用できます。加盟店が離脱するときのデータの扱いなど、契約に関わる論点も早い段階で決めておくと後が楽です。
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