リピタス LINEで相談

NATURE

計画を書く前に、押さえる4つの構造

ここを踏まえないと、数字が現実離れします。

01

販売価格を、自分で決められない

たばこの小売価格には制度上の仕組みがあり、店舗が自由に値付けできる商材ではありません。「安く売って数を取る」という戦略が使えないことを、計画の前提に置く必要があります。

02

1箱あたりの粗利が限られる

販売価格に占める税の割合が大きく、小売の取り分は限られます。売上高が大きく見えても、残る利益は薄い——この構造を計画に正しく反映してください。

03

在庫が現金を圧迫する

仕入れた分だけ現金が出ていきます。品揃えを増やすほど在庫金額は膨らみ、資金繰りを圧迫します。

04

価格改定のたびに、在庫の扱いが問題になる

改定の前後で仕入れと販売の条件が変わります。この時期の資金繰りを織り込んでいない計画は、実務で必ずつまずきます。

BUILD

売上を、粗利ベースで積み上げる

売上高ではなく、残る金額で計算します。

積み上げの順番

① 1箱あたりの粗利を確認する

卸売販売業者との取引条件から、実際に残る金額を出します。ここが分からないまま計画は書けません。

② 1日の販売箱数を、根拠つきで見込む

「立地の人通り × 立ち寄り率 × 購入率」といった形で積み上げます。希望から逆算した数字は、見る人にはすぐ分かります。

③ たばこの粗利だけで、固定費を賄えるか確認する

1箱の粗利 × 1日の箱数 × 営業日数。ここで家賃と人件費を賄えないなら、たばこ単体では成立しません。多くの場合、そうなります。

④ 併売商品で、不足分をどう埋めるか示す

飲料、日用品、軽食、サービス。「何を、どれだけ売れば足りるのか」を数字で示します。ここが計画の本体になります。

⑤ 運転資金と在庫資金を、別に確保する

仕入れに使う現金は、開業費用とは別枠です。売上が入るまでの数か月分と、在庫を回すための資金を積んでおきます。

📐 「売上高」ではなく「粗利」で書く

たばこは単価が高く、売上高は大きく見えます。ところが残る金額は限られます。売上高で計画を語ると、利益が出ているように錯覚します。審査でも実務でも、見るべきは粗利です。

COMBI

併売商品の設計が、計画の中心になる

たばこは「来店のきっかけ」として位置づけます。

🥤

飲料・日用品

来店頻度の高いたばこ客に、ついでに買ってもらう構成です。粗利率はたばこより高く、在庫の回転も読みやすいのが利点です。

🍙

軽食・レジ横商材

出勤前や休憩時間の需要と重なります。単価は低くても、粗利率と回転で貢献します。

💨

加熱式・関連商品

喫煙具やアクセサリー類。需要の構造が変化している領域なので、扱う範囲は慎重に判断してください。

📮

サービス・取次

公共料金の収納代行、宅配の取次など。単体の利益は小さくても、来店の理由が増えます。

PREMISE

「許可」という前提を、計画にどう書くか

他業種の計画書にはない、特有の項目です。

たばこの小売販売には財務大臣の許可が必要で、許可が下りなければ事業そのものが成立しません。この前提を計画書の中でどう扱うかは、金融機関にとっても重要な確認事項です。

所轄への事前相談の状況を書く

いつ、どこへ相談し、どのような見通しを得ているか。「これから調べます」という状態では、計画の実現性を示せません。

許可が下りなかった場合の想定を持つ

物件の契約条件、他の候補地、事業内容の変更。備えがあることを示せると、計画の信頼性が上がります。

許可取得の時期を工程に入れる

審査期間を見込んだうえで、開業日を設定しているか。この工程が抜けている計画は、実務経験の不足として見られます。

たばこ以外の収益源を明示する

許可が前提の事業だからこそ、それ以外の柱があることを示すと計画全体が安定して見えます。

MONEY

資金計画で、忘れられがちな4項目

開業費用だけを積み上げると、必ず不足します。

01

仕入れに使う運転資金

たばこは在庫を持たないと売れません。品揃えを揃えるための初回仕入れと、その後の補充に必要な現金を、開業費用とは別に確保してください。

02

売上が立つまでの生活費

事業の経費だけを積み上げて、自分の生活費を忘れるケースが目立ちます。開業後しばらくは、そこから給与を取れません。

03

価格改定時の資金

改定の前後は、仕入れと販売の条件が変わります。この時期に資金が動くことを想定しておく必要があります。

04

予備費

内装の追加工事、設備の不具合、想定外の手続き費用。計画通りに進むほうが稀です。総額の1〜2割を見ておくと安心です。

LAST

計画を、開業後に使えるものにする

書いて提出したら終わり、にしないために。

事業計画書は融資のための書類であると同時に、開業後に「計画とどれだけずれているか」を確認するための基準でもあります。次の3つを毎月確認する形にしておくと、書類が実務の道具になります。

  • たばこの販売箱数(計画と実績の差)
  • 併売商品の粗利額(ここが計画の本体)
  • 在庫金額の推移(現金がどれだけ寝ているか)

この3つがずれ始めたときに気づけるかどうかで、その後の対応の速さが変わります。

⚠️ 制度・要件は必ず最新情報をご確認ください

たばこ事業法および関連する制度、融資制度の要件は、改正や運用の変更により変わることがあります。この記事は考え方の整理であり、実際の判断は所轄の財務局・財務事務所、金融機関、および専門家にご確認ください。

FAQ

事業計画書についてよくある質問

Q. たばこの利益率はどれくらいですか?
販売価格に占める税の割合が大きいため、小売の取り分は限られます。具体的な率は商品や取引条件によって異なるため、卸売販売業者との取引条件を確認したうえで、自店の実数で計算してください。
Q. たばこだけで経営は成り立ちますか?
立地と販売数量によっては可能な場合もありますが、一般には併売する商品と組み合わせて設計します。たばこを来店のきっかけとして、他の商品で利益を出す構造が現実的です。
Q. 融資はどこに申し込むのが一般的ですか?
創業時の資金調達では日本政策金融公庫の創業向け制度や、自治体の制度融資が候補になります。要件は制度ごとに異なり変更されることもあるため、各機関の最新情報をご確認ください。
Q. 許可が下りる前に融資の申し込みはできますか?
金融機関の判断によりますが、許可が前提となる事業では、許可の見通しについて説明を求められることが一般的です。所轄への事前相談の状況を整理しておくと説明しやすくなります。
Q. 価格改定があると、経営に影響しますか?
影響します。改定時の在庫の扱いは資金繰りに関わる部分です。計画の段階で、その可能性を織り込んでおくことをおすすめします。
Q. 計画通りにいかない場合はどうすればよいですか?
ずれること自体は珍しくありません。重要なのは、月次で数字を確認してずれに気づける状態にしておくことです。

RELATED

あわせて読みたい

LINEで相談する