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INTRO

属人化は、悪意なく進みます

属人化を「抱え込み」と表現すると、誰かの意図の問題に聞こえます。しかし実際には、その人がやったほうが速いから任せる、という合理的な判断の積み重ねで進みます。誰も悪くありません。

だからこそ、意識では止まりません。「共有しよう」と言い合っても、忙しい日には結局できる人がやります。止めるには、仕組みで分散させる必要があります。

そのためには、何が属人化しているのかを分けて捉えることが先です。属人化には4種類あり、それぞれ解き方が違います。まとめて対処しようとすると、どれも中途半端になります。

TYPE

属人化には、4つの種類がある

自店で起きているのがどれかを、まず特定してください。

⚖️

① 判断の属人化

詰めてよいか、断るべきか、無理を聞くか。基準が言語化されておらず、その人の感覚に依存している状態です。他の人は判断できず、確認を求めるしかありません。最も影響が大きい種類です。

🧠

② 情報の属人化

この客は延長しがち、この時間は混む、この設備は不調。記録に残っておらず、頭の中にしかない情報です。本人も、それが共有すべき情報だと気づいていないことが多くあります。

🖱

③ 操作の属人化

システムの設定変更、枠の調整、レポートの出力。やり方を知っているのが一人だけという状態です。4つの中では最も解きやすく、手順書で対応できます。

🤝

④ 関係の属人化

特定のスタッフを指名する顧客、特定の担当者としか話さない取引先。これは完全には解けませんし、解くべきでもありません。備えるのは、その人が抜けたときの移行の準備です。

SOLVE

種類ごとの、解き方

全部を一度にやろうとせず、影響の大きいものから。

01

判断 — 頻度の高い3つだけ、文章にする

すべての判断を文書化しようとすると、完成しません。「1日に何度も発生する判断」を3つだけ選んで、基準を1行ずつ書いてください。これだけで、確認の大半が減ります。

02

判断 — 迷ったときの逃げ道を、決めておく

基準に当てはまらない場合にどうするか。「判断がつかなければ、この条件で受けて後で調整」といった安全側の既定値を用意すると、任せやすくなります。

03

情報 — 本人に、書き出す期間を設ける

2週間だけ、判断のたびに「なぜそうしたか」をメモしてもらいます。本人も無自覚な情報が、この期間に表に出ます。普段の業務の中では、自然には出てきません。

04

情報 — 予約や顧客に、直接紐づけて残す

ノートやチャットではなく、その情報が必要になる場所に置く。予約を開いた人に必ず目に入る形が、最も届きます。

05

操作 — 手順を、画面の写真つきで残す

文章だけの手順書は読まれません。画面の写真に矢印を入れた1枚があれば、たいていの操作は伝わります。

06

関係 — 顧客の一覧を、出せる状態にする

誰がどの顧客を担当しているかが分かれば、退職や異動の前に引き継ぎの機会を作れます。記録がないと、辞めた後に離脱で気づくことになります。

CHECK

属人化の度合いを、測る

感覚ではなく、事象で確認してください。

確認すること属人化していない危険な状態
特定の1人が休んだ日通常どおり回る予約の判断が止まる
「〇〇さんに聞いて」の頻度1日1〜2回1日5回以上
予約の設定を変えられる人2人以上1人だけ
判断の基準紙に書いてある頭の中にある
顧客の事情記録に残っている担当者しか知らない
新人が独り立ちするまで数週間数か月

BALANCE

標準化しすぎると、別の問題が起きます

属人化の反対は、硬直です。

📕

マニュアルが厚すぎて、読まれない

網羅的な手順書は、作った人しか読みません。頻度の高い判断だけを1枚に、が現実的です。

🚧

例外を認めないと、機会を逃す

基準どおりに断るだけでは、融通で取れた予約を落とします。「例外は判断してよい、ただし記録する」という形にしてください。

😐

個性がなくなり、選ばれる理由が消える

完全に標準化された接客は、どこでも受けられます。標準化するのは判断と情報であって、接客そのものではありません。

🐌

決裁が増えて、動きが遅くなる

属人化を嫌って全部を承認制にすると、現場が止まります。基準を渡して任せる、が正しい方向です。

🧊

有能な人の、やる気を削がない

抱え込みを問題視されると、頑張ってきた人ほど傷つきます。「あなたのやり方を、みんなが使える形にしたい」という言い方に変えてください。

REPITAS

判断の材料を、全員が見られる場所に

当社の「リピタス(RepiTas)」は、予約状況と顧客の記録をスタッフ全員が同じ画面で確認できます。権限を分けられるため、見せる範囲を調整しながら段階的に開いていけます。

予約ごとのメモ、顧客ごとのメモ、担当者別の顧客一覧といった、属人化を解くために必要な記録の残し方をご相談いただけます。※内容により別途費用と期間が必要です。

料金は月額11,000円〜、初期費用0円〜。まずは現状をお聞かせいただくところから始められます。

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FAQ

よくある質問

Q. 属人化は、全部なくすべきですか?
いいえ。関係の属人化——特定のスタッフを指名する顧客がいることは、店の強みです。なくすべきなのは、判断と情報と操作の属人化です。この3つが解けていれば、担当が休んでも店は回ります。
Q. マニュアルを作る時間が取れません。
分厚いマニュアルを想定しているなら、作らなくて構いません。頻度の高い判断3つを1行ずつ紙に書く。これなら30分で終わります。運用しながら追記していく形にすれば、完璧を目指さずに始められます。
Q. ベテランが、自分のやり方を手放してくれません。
伝え方の問題であることが多いです。「抱え込まないで」ではなく「あなたの判断を、他の人でも再現できる形にしたい」と伝えてください。自分のやり方が標準になると理解されれば、協力が得られやすくなります。
Q. 新人の独り立ちに時間がかかります。
判断の基準が渡されていない可能性があります。作業手順は教えても、「どういうときにどう判断するか」は教わっていないことが多いのです。頻度の高い判断を明文化すると、独り立ちまでの期間が明確に短くなります。
Q. システムを入れれば、属人化は解消しますか?
情報と操作の属人化には効きます。判断の属人化には、システムだけでは効きません。基準を言語化する作業は、人がやる必要があります。ただし、システムがあると「全員が同じ情報を見ている」という前提が作れるため、基準の共有がしやすくなります。
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