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WHY SOURCING MATTERS

古着屋は「仕入れ」で勝負が半分ついている

古着は一点物です。新品アパレルのように「売れたら同じものを追加発注」ができないため、仕入れの段階で原価・状態・数量・ジャンルの当たり外れがそのまま利益に直結します。売れ筋を安く・良い状態で・欲しい量だけ引けるかどうか——ここが古着屋の実力です。

仕入れルートには、それぞれ原価の安さ・まとめ買いの単位(ロット)・目利きの難しさ・当たり外れの大きさという長所と短所があります。どれか一つに絞るのではなく、複数を組み合わせて「安定して良品が入る状態」をつくるのが基本方針です。

このページでは、主要な5つのルートを一つずつ掘り下げ、比較表で全体像を俯瞰したうえで、未経験からの始め方と検品・値付けの実務までを整理します。※相場・卸値・当たり外れは、市場・時期・ジャンル・為替により大きく変動します。以下はあくまで一般的な傾向です。

SOURCING ROUTES

古着の仕入れルート・5つの主要類型

原価が安いほど目利きと当たり外れのリスクが大きくなる——このトレードオフを押さえて選びます。

01
古物市場(会員制オークション)

古物商どうしが売買する会員制の卸市場

古物商が参加する会員制のオークション市場で、まとまった数を市場価格で仕入れられるのが魅力。原価は比較的抑えやすい一方、その場で状態と相場を瞬時に判断する目利きが求められます。参加には古物商許可が前提で、市場によっては会員の紹介や入会審査を要することもあります。相場観のない初期は「見学・少額から」が無難です。

  • 古物商許可が参加の前提
  • 相場観と即断の目利きが要る
  • 紹介・入会審査が必要な市場もある
02
国内の古着専門卸業者

ロット・ベール・アソートでまとめ仕入れ

古着を専門に扱う国内の卸業者から、ロット(まとめ売りの単位)やアソート(ジャンル・アイテムの詰め合わせ)で仕入れる方法。市場より手続きが分かりやすく、ジャンルや状態のグレードを指定できる業者も多いため、初心者が最初に組み込みやすいルートです。そのぶん原価は市場より上がりやすく、業者ごとの得意ジャンルと品質の見極めが肝心です。

  • まとめ買い(ロット)が基本単位
  • ジャンル・グレード指定できる業者も
  • 原価は市場より上がりやすい傾向
03
海外買付・輸入

アメリカ・ヨーロッパからベールで大量に

アメリカやヨーロッパから直接買い付ける、または輸入する方法。ベール(圧縮梱包の大口単位)でまとめて仕入れると1点あたりの原価は下げやすい反面、中身を選べず当たり外れが大きいのが特徴です。現地渡航には旅費と語学・目利き、輸入には関税・送料・輸入代行のコストと時間がかかります。上級者向けですが、独自の品揃えで差別化しやすいルートでもあります。

  • ベールは大量・低単価だが当たり外れ大
  • 渡航費・語学・目利き、または輸入代行
  • 関税・送料・リードタイムを織り込む
04
店舗買取・宅配買取

自店で一般客から買い取る=古物商の本領

自分の店で一般のお客様から中古衣料を買い取る方法。まさに古物商許可の本領で、買取価格を自分で決められるため原価が読みやすく、粗利をコントロールしやすいのが最大の利点です。地域の常連が持ち込む「その街ならではの品」も集まります。ただし査定の基準づくり、真贋・状態の見極め、本人確認や古物台帳の記録といった運用体制が必要になります。

  • 買取価格を自分で決められる=原価が読める
  • 古物商許可の本人確認・台帳が必須
  • 査定基準と真贋・状態の見極めが要る
05
フリマ/ネット仕入れ

少量・単発のテスト仕入れに向く

フリマアプリやネットオークション、リユースのセール等で1点〜少量ずつ仕入れる方法。少額で始められ、新しいジャンルの売れ行きを試す「テスト仕入れ」に向きます。反面、1点あたりの原価は高くなりがちで、量をそろえる主力ルートには不向き。写真だけで状態を判断するリスクもあるため、あくまで補助的な位置づけで使うのが現実的です。

  • 少額・少量で始められる
  • 新ジャンルのテスト仕入れ向き
  • 原価は高め・主力には不向き

COMPARISON

仕入れルート早わかり比較表

原価が安いルートほど、目利きと当たり外れのリスクが上がる関係にあります。

仕入れルート原価ロット目利き難度古物商許可初心者向き当たり外れ
古物市場安め中〜大高い必須(参加要件)中〜大
国内卸業者中〜大要(転売するため)
海外買付・輸入安め(ベール)高い要(転売するため)
店舗・宅配買取読める(自店設定)1点〜中〜高必須(買取行為)
フリマ/ネット高め1点〜少量低〜中要(転売するため)小〜中

※ 評価は一般的な傾向をもとにした整理で、実際の原価・ロット・当たり外れは市場・業者・時期・ジャンル・為替により大きく異なります。「向き・不向き」は判断のための目安としてご覧ください。

LICENSE & SOURCING

仕入れの前提になる「古物商許可」

古着=中古の衣類を仕入れて転売する事業には、古物商許可が必要です。これは仕入れルートを選ぶ前段の「前提条件」。とくに次の2つの場面で、許可がないと仕入れそのものができません。

  • 古物市場(会員制オークション)への参加——市場は古物商だけが売買する場で、許可が入会・参加の前提になります。
  • 一般客からの買取——お客様の私物を買い取る行為そのものが古物営業にあたり、本人確認や古物台帳への記録が求められます。
  • 卸・海外買付・フリマ仕入れも、仕入れた中古品を「売って利益を得る」以上、古物商許可の範囲での営業になります。

許可は営業所を管轄する警察署(公安委員会)へ申請し、交付まで日数がかかります。仕入れルートの開拓と並行して、早めに申請を進めておくのが安全です。手続き・様式の詳細は公式情報で確認してください。

🔗 警視庁:古物営業の手続き

※ 申請先・様式・要件は地域の管轄窓口や制度改定により異なります。上記は代表例です。開業前に必ず営業所を管轄する警察署へご確認ください。

FOR BEGINNERS

未経験者の「仕入れの始め方」

いきなり大口で買わない。小さく試して、売れ行きを見て量を調整するのが鉄則です。

🧩

小さく複数ルートを試す

最初から一つのルートに大金を投じないこと。まずは国内卸やフリマで少量を仕入れ、売れ行きを見ながら市場や買取へ広げます。複数ルートを持つと、どこかが不調でも品揃えが途切れません。

👕

レギュラーとヴィンテージを分けて考える

大量に流通する「レギュラー古着」と、希少価値で値がつく「ヴィンテージ」では、原価も目利きも値付けも別物です。まずは回転の速いレギュラーで運営を安定させ、ヴィンテージは知識がついてから比率を上げるのが安全です。

🔍

検品と値付けをセットで身につける

仕入れた一点ごとに、汚れ・ダメージ・サイズ・年代・真贋を確認し、状態と相場から値付けする。この検品→値付けの精度が上がるほど、返品や売れ残りが減り、粗利が安定します。

🔄

回転を見て仕入れ量を調整する

古着は現金を在庫に変える商売です。売れずに滞留する在庫は、そのぶん次の仕入れ資金を寝かせます。月の在庫回転を見ながら、売れ筋ジャンルを増やし、動かない仕入れを絞る——この調整を続けることが利益の源泉です。

💡 「安く大量に」より「売れる分だけ良品を」

原価だけを追ってベールや大口ロットに飛びつくと、売れない在庫を大量に抱えるリスクが高まります。回転する良品を、必要な量だけ、複数ルートから——この積み重ねが、資金を寝かせない古着屋の基本です。

INSPECTION

目利きと検品の実務メモ

仕入れた良品も、検品が甘いと返品・クレーム・値下げにつながります。

  • ダメージ確認——シミ・虫食い・破れ・毛玉・変色・ファスナーやボタンの欠損を、明るい場所で表裏ともにチェックする。
  • 匂い・洗濯——タバコ・カビ・防虫剤などの匂いは減点要素。クリーニングや洗い直しの手間とコストを原価に織り込む。
  • サイズ実寸——古着は表記サイズと実寸がずれやすい。着丈・身幅・肩幅・袖丈を採寸し、EC併売にも使えるよう記録する。
  • 年代・真贋——タグ・縫製・生地・織りネームから年代や本物かどうかを見極める。ブランド品・ヴィンテージは特に慎重に。
  • 相場との照合——同等品の販売相場を確認し、状態のグレードに応じて値付け。仕入れ値・状態・相場の3点で価格を決める。

※ 真贋判定やブランド品の取り扱いには専門知識を要します。判断に迷う品は、鑑定サービスや経験者の助言も活用してください。

FAQ

古着の仕入れについてよくある質問

古物市場は誰でも入れますか?
原則として古物商許可を持つ事業者向けの会員制市場です。市場によっては会員の紹介や入会審査が必要な場合もあります。まずは古物商許可を取得し、参加できる市場の入会条件を個別に確認してください。相場観がつくまでは見学や少額からの参加が無難です。
未経験でも海外買付はできますか?
できますが、上級者向けのルートです。現地渡航には旅費・語学・目利きが、輸入には関税・送料・輸入代行のコストとリードタイムがかかります。ベールは1点あたりの原価を下げやすい反面、中身を選べず当たり外れが大きいのが難点。まずは国内卸や買取で運営を安定させ、経験を積んでから比率を上げるのがおすすめです。
買取だけで品揃えはそろいますか?
立地や集客次第では買取が主力になり得ますが、開業直後は持ち込みが安定しないため、買取だけで棚を埋めるのは難しいのが実情です。国内卸や市場で初期在庫を確保しつつ、買取を育てて原価の読める仕入れに厚みを持たせる——この併用が現実的です。
仕入れの原価率の目安はどれくらいですか?
古着は粗利率50〜70%程度を目安にする考え方がよく使われ、裏を返すと原価率はおおむね30〜50%が一つの目安です。ただしルート・ジャンル・状態・当たり外れ、クリーニングなどの手間賃によって大きく変動します。あくまで目安として、自店の実績で見直していくのが確実です。
仕入れルートは一つに絞った方が効率的ですか?
おすすめしません。一つのルートに依存すると、そこが不調のとき品揃えが途切れます。市場・卸・買取・海外・フリマを組み合わせ、原価と当たり外れを分散させる「複線化」が、安定して良品を確保するコツです。

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