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📱 このページは『クリニックの待ち時間とドタキャンを、通知で減らす予約アプリ』の関連記事です。

THE PURPOSE

「要注意リスト」という言葉の危うさ

繰り返し無断キャンセルがある方を把握しておきたい——これは運営上、当然の要請です。 ただ、その記録を「今後お断りするための名簿」として運用しようとすると、複数の面で問題が生じます。

医師には、正当な事由がなければ診療を拒んではならないという定めがあります(医師法第19条・応招義務)。 無断キャンセルの履歴だけを理由に一律で診療を拒むことが「正当な事由」にあたるかは、慎重な判断が必要な領域です。 厚生労働省からも応招義務の考え方に関する通知が出ており、個別の事情によって結論が変わります。

記録の目的を、こう置き換える

来てもらわないための名簿
→ 確認の手厚さと、枠の取り方を変えるための記録

同じ記録でも、目的が変われば運用も書き方も変わります。こちらであれば、患者さんの不利益にならず、院内の損失も減らせます。

⚠️ このページの位置づけ

以下は院内運用の一般的な整理です。実際の対応方針、とくに予約の制限や診療の可否に関わる判断については、関係法令および院内の規程に照らし、必要に応じて顧問弁護士等にご確認ください。当社は運用の可否について判断する立場にありません。

STEP RESPONSE

回数に応じて、対応を段階で変える

いきなり制限するのではなく、確認を厚くしていきます。

1回目

記録するだけ

日時と、連絡の有無を残します。体調や事情による不来院は誰にでもあります。この段階で対応を変える必要はありません。

2回目

通知を、増やす

前日だけでなく、数日前にも確認の連絡が届くよう設定を変えます。本人には何も伝えず、こちら側の設定だけを調整します。

3回目

個別に、確認を入れる

予約の前日に、電話やメッセージで直接確認する運用に切り替えます。「来られますか」ではなく「ご都合はいかがですか」と、変更しやすい聞き方で。

それ以降

枠の取り方を、相談する

混雑する時間帯の予約枠ではなく、当日枠や比較的空いている時間をご案内する、といった調整を検討します。この段階では、事前に本人へ説明したうえで行うことが前提です。

重要なのは、2回目までの対応が「本人に何も伝えずにできる調整」であることです。 多くの場合、通知を厚くするだけで解消します。3回目以降に進む方は、実際にはごく少数です。

HOW TO RECORD

記録は、事実だけを書く

書き方ひとつで、その記録の性質が変わります。

書き方
◯ 書いてよい「10/9 14:30 予約、事前連絡なし不来院(3回目)」
◯ 書いてよい「前日リマインド送信済み、既読なし」
◯ 書いてよい「本人希望により、次回は当日枠でご案内」
× 避ける「常識がない」「態度が悪い」などの評価
× 避ける「要注意」「ブラック」といったラベル
× 避ける職業・家族関係など、診療と関係のない推測

開示を求められる可能性を、前提に書く

記録の種類によっては、本人から開示を求められる場面が生じ得ます。「見られて困る書き方をしない」ことが、最も確実な自衛策です。

診療録とは、区別して扱う

予約や連絡に関する運用上のメモと、診療に関する記録は性質が異なります。どこに何を残すかを、院内で決めておいてください。

閲覧できる人を、限定する

受付スタッフ全員が見る必要があるのか、管理者のみでよいのか。参照範囲を決めることは、情報の適切な管理そのものです。

保存期間を、決めておく

いつまでも残し続ける必要はありません。一定期間で消す運用にしておくと、状況が変わった患者さんを古い記録で扱わずに済みます。

TELL FIRST

ルールは、先に示しておく

後から伝えると、対立になります。

予約枠の取り方を調整する段階に進む場合、その可能性を事前に案内しておくかどうかで、受け止められ方がまったく変わります。 予約時の注意事項、院内の掲示、ホームページの予約案内。いずれかに一言あるだけで十分です。

案内文の例

ご予約のお願い

当院はご予約制のため、1枠ごとに時間を確保しております。ご都合が変わった場合は、前日までにご連絡いただけますと、他の患者様にご案内できます。ご連絡のないキャンセルが続いた場合、次回以降のご予約方法についてご相談させていただくことがあります。

※ 文言は院内の方針に合わせて調整してください。制裁的な表現ではなく、事実と依頼として書くことが要点です。

予約・顧客管理システム(リピタス/RepiTas)では、患者さんごとの来院履歴とキャンセルの記録を残し、 対象の方にだけ通知の回数やタイミングを変えるといった設定ができます。 メモ欄の閲覧範囲や、記録として何を残すかは、院内の方針に合わせて設計できます。

院内の運用に合わせて相談する

BEFORE THAT

個別対応より先に、全体を整える

特定の方の問題に見えて、仕組みの問題であることが多くあります。

🔔

前日通知は、全員に届いているか

リマインドを入れていない状態で個別の対応を考えるのは、順番が逆です。まず全体のキャンセル率を下げてから、残った分を個別に見ます。

↩️

キャンセルの連絡が、しやすいか

電話しか手段がないと、黙って来ないほうが選ばれます。画面上で取り消せる形にするだけで、無断キャンセルの多くは連絡ありに変わります。

📅

予約が、先すぎないか

1か月以上先の予約は、それだけで忘れられやすくなります。直前の予約枠を一定数残しておく設計も有効です。

📊

数字を、把握しているか

全体のキャンセル率が分からないまま個別の話をしても、判断できません。まず月ごとの割合を出してください。

通知の設計については、前日自動通知の記事で詳しくまとめています。

FAQ

よくある質問

Q. 無断キャンセルを理由に、予約を断ってもよいのですか?
医師には応招義務があり、診療の拒否には正当な事由が必要とされています。無断キャンセルの履歴のみを理由とする対応が認められるかは個別の事情によるため、判断は院内の規程および専門家への確認のうえで行ってください。予約方法を調整する運用であれば、事前の周知を前提に検討しやすくなります。
Q. キャンセル料を請求できますか?
自由診療か保険診療かで考え方が異なり、請求する場合は事前の説明と同意が前提になります。金額や条件の設定については、院内の方針と関係規程に照らしてご判断ください。
Q. 記録は、どこに残すのが適切ですか?
予約や連絡に関する運用上のメモは、診療録とは区別して管理するのが一般的です。閲覧できる範囲と保存期間を決めたうえで運用してください。
Q. スタッフ間で共有してよいのですか?
業務上必要な範囲であれば共有は成り立ちますが、必要のない人まで見られる状態は望ましくありません。参照できる権限を分けられる仕組みが有効です。
Q. 本人に「記録している」と伝えるべきですか?
記録そのものを個別に告知する必要はありませんが、予約方法の調整を行う段階では、事前に説明したうえで進めるほうがトラブルになりません。
Q. そもそも、ここまでする必要がありますか?
多くの場合、必要ありません。前日通知とキャンセル導線を整えるだけで、繰り返しの不来院はかなり減ります。個別の対応は、それでも残った分に限って考えてください。

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