リピタスRepiTas|体験授業と顧客管理
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✏️ 学習塾の「体験授業」を仕組みで支える
体験授業は、申し込みを受けた時点ではまだ何も決まっていません。当日どんな様子だったか、保護者が何を気にしていたか、そのあと誰が連絡したか——このあたりが誰の頭の中にしか無いままだと、せっかくの体験は「やっただけ」で終わります。予約を受ける仕組みと、生徒・保護者を覚えておく仕組みを分けないという話です。
5つ
体験後に消える情報
7つ
一体化で変わること
12項目
残すべき記録の型
✏️ このページは『個別指導塾の連絡と予約をLINEに寄せる(TOPページ)』の関連記事です。
INTRO
申込・実施・報告・判断。この4つの間に、必ず時間が空きます。
学習塾にとって体験授業は、入塾を決める前の最後の関門です。チラシを配り、Web広告を出し、口コミで名前を知ってもらい、そこまでの費用と時間をかけてようやく1件の申込が入る。だからこそ、体験授業まわりの取りこぼしは、他のどの工程の取りこぼしよりも高くつきます。
ところが現場で体験授業がどう扱われているかというと、多くの塾では「予定表に書き込む仕事」として処理されています。電話やフォームで申込が来る、カレンダーに生徒名を書く、担当講師を決める、当日を迎える。ここまでは滞りなく回ります。
問題はそのあとです。体験が終わった翌日、その生徒がどうだったかを塾長が知る手段は、担当講師との立ち話しかありません。1週間後、保護者から返事がないことに気づいても、誰がいつ何を伝えたのかがはっきりしません。2週間後には、そもそもその生徒のことを思い出すのに時間がかかるようになります。
体験授業の申込件数を増やす話は、広告やホームページの話です。この記事で扱うのはその手前でも先でもなく、「申込を受けたあと、入塾を決めてもらうまでの数週間を、記憶ではなく記録で回す」という一点です。予約管理と顧客管理を別々の道具でやっている限り、この数週間は必ずどこかで途切れます。
PROBLEM
どれも「誰かが覚えているはず」で済まされ、実際には誰も覚えていないものです。
「数学が苦手で」という一言の裏に、前の塾を辞めた理由や、部活との両立の不安が隠れていることがあります。電話で聞いた話は受けた人の記憶にしか残らず、当日の担当講師には伝わりません。
積極的に質問できたか、途中で集中が切れたか、どの単元でつまずいたか。授業の直後なら鮮明でも、3日経てば他の生徒と混ざります。ここが空白のまま保護者へ連絡すると、話が一般論になります。
曜日の希望、送迎の都合、月謝の支払い方法、兄弟割の有無。帰り際の「またご相談しますね」の中身が記録されないため、次の連絡で同じ質問を繰り返すことになります。
塾長が電話したつもりでいて、実は教室長がすでに連絡していた。あるいは両方とも「相手がやっている」と思って誰も連絡していない。担当が2人以上いる教室では、これがいちばん起きます。
「他塾も見てから決めます」は断りではありません。しかし保留の家庭を一覧で持っていない塾では、この層は自然に忘れられます。1か月後に他塾へ入ったと知って、初めて思い出す。
この5つに共通しているのは、どれも「予約枠」の外側にある情報だということです。予約システムが管理しているのは日時・教室・担当という枠であって、その枠の中で起きた出来事ではありません。だから予約管理だけを整えても、体験授業の歩留まりは動きません。
COMPARE
同じ体験授業を、2つの仕組みで扱ったときの違いです。
| 場面 | 予約機能だけの仕組み | 顧客管理と一体の仕組み |
|---|---|---|
| 申込を受けた時 | 日時と名前が枠に入る | 日時+学年・現状の困りごと・きっかけが1件の記録として残る |
| 当日の朝 | 今日の予定として一覧に出る | 過去のやり取りを開いてから教室に立てる |
| 授業の直後 | 枠が「消化済み」になる | 担当講師が所感を数行で追記でき、塾長がその日のうちに読める |
| 翌日の連絡 | 誰が連絡するかは口頭で決める | 未対応として残り、対応したら履歴が付く |
| 1週間後 | 記憶を頼りに思い出す | 保留中の家庭が一覧で残っている |
| 入塾が決まった時 | 枠が空くだけ | 体験の記録がそのまま在籍生徒の履歴の先頭になる |
| 入塾に至らなかった時 | 情報が消える | 理由と時期が残り、翌年度の再アプローチ材料になる |
右の列は特別な機能ではありません。予約の1件が、そのまま生徒のカルテの1行になっている——構造がそうなっているかどうか、それだけの違いです。
MERIT
派手な効果ではなく、日々の判断が少しずつ確かになるという変化です。
申込フォームで聞いた学年・使っている教科書・つまずいている単元が、当日の担当講師の手元にある状態を作れます。初対面の90分の密度が変わります。
講師が授業後に3行書く。それだけで塾長は、直接見ていない体験授業の様子を把握できます。口頭の申し送りは、書く場所がないから発生しています。
体験を実施したのに次のアクションが空欄の生徒が、一覧で浮かびます。人の記憶ではなく、状態の抜けとして見えるようになります。
講師の入れ替わりが多い塾ほど効きます。担当が抜けたときに失われるのが「その人の記憶」だけになり、生徒の情報は残ります。
紹介・チラシ・Web検索・SNS。申込の入口を記録に残しておくと、来年どこに費用をかけるべきかを、印象ではなく件数で語れます。
上のお子さんの在籍記録と、下のお子さんの体験申込が同じ家庭として結び付きます。すでに信頼のある家庭を、初めての人として扱わずに済みます。
体験授業だけを別管理にしないことで、入塾後の面談予約や欠席振替まで同じ画面で追えます。生徒との関係が入塾で分断されません。
TEMPLATE
項目を増やしすぎると書かれなくなります。埋まらない欄は思い切って削ってください。
申込日/体験希望日
いつ問い合わせて、どれだけ待たせたかが分かる
生徒の学年・在籍校
案内できるコースと時間帯が決まる
申込者と生徒の関係
保護者からか本人からかで、連絡の宛先が変わる
連絡手段の希望
電話が苦手な保護者は珍しくありません
きっかけ(入口)
紹介・チラシ・検索・SNS。あとで集計できる形で
現状の困りごと
保護者の言葉のまま残すのがコツです
体験科目・担当講師
当日の割り当てと、相性の記録を兼ねる
実施したか/欠席か
未実施のまま放置される件を拾うため
講師の所感(3行)
様子・つまずき・向いていそうな指導形態
保護者が気にしていた点
費用・曜日・送迎・部活との両立など
次のアクションと期限
「今週中に塾長から電話」まで書く
結果と理由
入塾/保留/見送り。見送り理由は翌年の資産になる
成績や志望校といった踏み込んだ情報は、必要になった段階で足すのが無難です。体験の時点では、まだ入塾していない家庭の情報を預かっている状態です。取得の目的をはっきりさせられない項目は、最初のフォームに置かないほうが、保護者にとっても塾にとっても安全です。
HONEST
仕組みが担当できるのは、判断のための材料をそろえるところまでです。
顧客管理の機能があっても、講師が所感を書かなければ何も残りません。3行でいい、箇条書きでいい、と入力の重さを先に下げておくことが導入の成否を分けます。
体験に来た生徒が「また来たい」と思うかどうかは、当日の指導そのものです。記録は、良かった授業を次につなげるためのものであって、授業の代わりにはなりません。
まずは「実施したか」「次に誰が連絡するか」「結果」の3つだけでも構いません。運用が回りはじめてから項目を足すほうが、結果的に早く定着します。
紙の名簿やExcelを併用したまま始めると、どちらが正か分からなくなります。移行の期日を決めて、一方に寄せる覚悟が要ります。
STEP
繁忙期の直前に切り替えると、必ず現場が混乱します。
申込済み/実施済み/連絡待ち/保留/入塾/見送り。この6つくらいに絞って、教室内で呼び方をそろえます。ここが曖昧なままだと、どんなシステムを入れても運用が割れます。
受付は申込情報、講師は所感、塾長は結果。役割を分けておくと、全員が全部を書こうとして誰も書かなくなる事態を避けられます。
電話・メール・LINEが混在していると、履歴が3か所に散ります。塾側からの連絡はここ、と決めるだけでも追える情報量が変わります。
多教室展開なら、まず1教室の1シーズンだけで運用してみることをおすすめします。うまくいかなかった点を直してから広げるほうが、全教室同時導入より確実です。
なお、予約の受け方そのものを見直したい場合は、まず親記事の個別指導塾の連絡と予約をLINEに寄せるをご覧ください。オンラインでの体験に特化した話はオンライン個別指導の体験授業で扱っています。
FAQ
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まずは全体像の記事から読むと、この記事の位置づけが分かりやすくなります。
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