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OVERVIEW

花屋の届出は、実はシンプル

花屋(生花店)は、保健所の営業許可が必要な飲食店などと違い、生花を売ること自体には特別な許可や資格がいりません。そのため、開業時に必ず出すべき書類は多くありません。中心になるのは税務署への「開業届」、そして節税につながる「青色申告承認申請書」の2枚です。

これに加えて、店頭(歩道)に商品や置き看板を並べるなら所轄警察署への道路使用許可法人(株式会社など)で開業するなら税務署への法人設立届出書が加わります。逆にいえば、個人で・店内販売中心なら、税務署に2枚出すだけで開業できるケースがほとんどです。

この記事では、それぞれの書類を「どの欄に何を書くか」の記入例つきで埋めていき、最後に提出までの手順と持ち物を1枚のチェックリストにまとめます。まずは全体像から。

届出提出先誰に必要か
個人事業の開業・廃業等届出書(開業届) 管轄の税務署 個人で開業する人(ほぼ全員)
所得税の青色申告承認申請書 管轄の税務署 青色申告で節税したい個人(推奨)
道路使用許可申請 所轄の警察署 店頭(歩道)に商品・看板を出す場合
法人設立届出書 ほか 管轄の税務署・自治体等 法人(会社)として開業する場合

⚠️ はじめにお読みください

本記事の記入例は、花屋の一般的なケースを想定したサンプル(記入例・例)です。実際の記入内容は個々の事情によって異なります。また様式・要件・提出期限は改定されることがあり、管轄によって取扱いが異なる場合があります。提出前に必ず国税庁・所轄の税務署/警察署など公式の最新情報をご確認ください。判断に迷う場合は税理士・行政書士等の専門家へご相談ください。

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開業届|そのまま書ける記入例

正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」。花屋を想定した記入例(例)で埋めていきます。

記入欄花屋の記入例(例)ポイント
提出先の税務署名 〇〇税務署 納税地(下記)を管轄する税務署を書きます。国税庁サイトで管轄を検索できます。
提出日 令和〇年〇月〇日 実際に提出(または郵送投函・送信)する日付。
納税地 〒〇〇〇-〇〇〇〇/自宅か店舗の住所 原則は自宅(住所地)。店舗を納税地にすることも可能です。電話番号も記入。
氏名・生年月日 山田 花子/昭和〇年〇月〇日 個人名を記入。屋号ではなく本人の氏名です。
個人番号(マイナンバー) (12桁のマイナンバー) 本人のマイナンバーを記入。本人確認書類の提示・添付が必要です。
職業 生花小売業 花屋の場合の代表的な記入例。「生花・園芸小売業」等でも可。
屋号 〇〇flower / 花屋〇〇 店名を書きます。空欄でも受理されますが、記入しておくと屋号名義の口座開設等に便利。
届出の区分 「開業」に丸 新規開業なので「開業」を選択。
所得の種類 事業(農業)所得の「事業所得」 花屋の事業収入は事業所得にあたります。
開業・廃業等日 令和〇年〇月〇日(開業日) 実際にお店を始める日。この日から原則1ヶ月以内の提出が目安です。
事業の概要 生花・鉢花の小売、フラワーアレンジメント・ブーケの製作販売、冠婚葬祭用装花の受注 どんな商売かを具体的に。花束・アレンジ・ネット販売・法人装花など、実際にやることを書きます。
「青色申告承認申請書」の有無 「有」に丸 同時に青色申告承認申請書も出すなら「有」。節税のため併せて提出が推奨です。
給与等の支払の状況 従業員を雇うなら人数・給与形態を記入 家族に給与を払う(専従者)場合や従業員がいる場合に記入。ひとり開業なら空欄でも可。

※ 上表の記入内容はすべて花屋を想定した記入例(例)で、実在の店舗・人物とは関係ありません。様式は改定される場合があります。最新の様式・記載要領は国税庁の案内でご確認ください。

🔗 公式の様式・案内

開業届の様式・記載要領・提出方法は、国税庁の手続案内ページで確認・ダウンロードできます。e-Tax(オンライン)での提出にも対応しています。

🔗 国税庁:個人事業の開業・廃業等届出(案内)

FILL-IN FORMAT ②

青色申告承認申請書|記入ポイントと期限

開業届とセットで出したい1枚。最大65万円の控除など、節税メリットが大きい申請です。

記入欄花屋の記入例(例)・ポイント
氏名・住所・職業 山田 花子/自宅住所/生花小売業(開業届と揃える)
事業の内容 生花・鉢花の小売、フラワーアレンジメントの製作販売 など、開業届の「事業の概要」と整合させる
所得の種類 「事業所得」に丸
簿記方式 65万円(55万円)控除を狙うなら「複式簿記」に丸。会計ソフト利用が前提だと管理しやすい
備付帳簿名 総勘定元帳・仕訳帳などにチェック(複式簿記の場合)。売掛帳・固定資産台帳なども該当すれば選択
適用を受けようとする年 開業した年(例:令和〇年分から)

⏰ 提出期限に注意

新規開業した人が開業年から青色申告をするには、原則として開業日から2ヶ月以内に提出が必要です(その年の1月16日以後に開業した場合)。この期限を過ぎると、その年は白色申告になり、青色は翌年からになります。開業届と同時提出にしておくと出し忘れを防げます。

🔗 公式の様式・案内

青色申告承認申請の様式・提出期限・提出方法は、国税庁の手続案内で確認できます。

🔗 国税庁:青色申告の承認申請手続

※ 控除額・要件(複式簿記・e-Tax等)や提出期限は税制改正で変わることがあります。最新は国税庁の案内および所轄税務署でご確認ください。

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ケース別に必要な、あと2つの届出

「店頭に並べる」「法人で始める」場合に加わる書類です。

🚧 道路使用許可

店頭(歩道)に商品・置き看板を出す場合

提出先:所轄の警察署

店の前の歩道など「道路」に鉢花やバケツ、置き看板を並べる場合に必要になることがあります。申請書に加え、置く場所・大きさ・時間帯がわかる図面や現場付近の見取り図を添えるのが一般的。使用形態によって手数料がかかります。並べ方を決める前に、所轄署の交通課に相談しておくと安心です。

🔗 警視庁:道路使用許可申請手続

🏢 法人設立届出書

法人(株式会社など)として開業する場合

提出先:管轄の税務署・自治体等

会社を設立して花屋を経営する場合、設立の登記後に税務署へ法人設立届出書を提出します(都道府県・市区町村へも別途届出が必要)。定款の写しや登記事項証明書などの添付を求められることがあります。個人事業なら不要で、上の開業届の対象になります。

🔗 国税庁:内国普通法人等の設立の届出

※ 道路使用許可の要否・手数料・添付書類は所轄警察署(自治体)により異なります。上記リンクは警視庁(東京都)の例です。他道府県は各都道府県警のサイトでご確認ください。法人の届出先・提出期限・添付書類も改定され得ます。

HOW TO SUBMIT

提出までの手順(税務署への届出)

開業届・青色申告承認申請書は、この4ステップで完了します。

01
STEP 1

必要書類をそろえる

開業届と青色申告承認申請書の様式を国税庁サイトからダウンロード(税務署窓口でも入手可)。あわせて本人確認のため、マイナンバーカード(または通知カード+運転免許証等)を用意します。屋号や事業の概要を先に決めておくと記入がスムーズです。

  • 開業届・青色申告承認申請書を入手
  • マイナンバー確認書類を準備
  • 屋号・事業の概要を決めておく
02
STEP 2

記入する(控えも1部)

上の記入例を参考に記入します。窓口や郵送で提出する場合は、手元に残す控え用にもう1部用意し、両方に記入しておくと受付印をもらえます。開業届と青色申告承認申請書は、氏名・住所・職業・事業内容の記載を揃えておきましょう。

  • 提出用と控え用の2部を用意
  • 2枚の記載内容を揃える
  • 押印欄がある場合は押印
03
STEP 3

提出する(3つの方法)

(A)税務署の窓口に持参、(B)郵送(返信用封筒+切手を同封すると控えが返送される)、(C)e-Tax(オンライン)。e-Taxならマイナンバーカードとスマホ/ICカードリーダーで自宅から提出でき、控えは受信通知で確認できます。営業で忙しい花屋開業期には郵送・オンラインが手軽です。

  • 窓口・郵送・e-Taxから選ぶ
  • 郵送は返信用封筒を同封
  • e-Taxは受信通知が控えになる
04
04 → 控えの受け取り・保管

控えを必ず受け取り、保管する

窓口・郵送なら受付印の入った控えが手元に残ります。この控えは、屋号名義の銀行口座開設、創業融資の申込み、補助金申請などで「開業の証明」として求められることがあります。なくさないよう保管しておきましょう。

  • 受付印つきの控えを保管
  • 融資・口座開設で使うことがある
  • e-Taxは受信通知を保存

💡 提出は「開業準備のタスク」に組み込む

青色申告承認申請書には開業から2ヶ月以内という期限があります。物件契約・仕入れルート確保・内装と並行して忙しくなる時期なので、開業届と一緒にオープン準備の初期タスクとして片付けておくのが安全です。開業の全体スケジュールは花屋開業ガイドTOPの6ステップで確認できます。

CHECKLIST

提出物・持ち物チェックリスト

税務署へ行く前(または郵送・e-Tax前)に、これだけ確認しておけばOK。

  • 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)※提出用・控え用の2部
  • 所得税の青色申告承認申請書 ※青色申告する場合・2部
  • マイナンバーカード(または通知カード+運転免許証などの本人確認書類)
  • 屋号(〇〇flowerなど)・事業の概要のメモ(記入内容を先に確定)
  • 開業日・納税地(自宅か店舗か)を決めてある
  • 郵送の場合:切手を貼った返信用封筒(控え返送用)
  • e-Taxの場合:マイナンバーカードとスマホ/ICカードリーダー
  • 法人で開業する場合:登記事項証明書・定款の写し等(法人設立届出用)
  • 店頭に商品・看板を出す場合:道路使用許可の相談・申請(所轄警察署)

届出が済んだら、次は開業後の集客と予約づくりです。母の日やお盆などの季節需要、記念日ギフト、定期便の予約を取りこぼさない仕組みを、オープン前から整えておくと立ち上がりがスムーズになります。

FAQ

花屋の届出まわり・よくある質問

花屋の開業に、営業許可や資格は必要ですか?
生花の販売そのものには、飲食店のような保健所の営業許可や特別な資格は原則不要です。開業時に中心となるのは税務署への「開業届」で、節税のために「青色申告承認申請書」も一緒に出すのが一般的です。加工食品を扱う、店頭の歩道に商品を並べる、法人で始める、といった場合は別の届出が加わることがあります。
開業届の「職業」欄には何と書けばいいですか?
花屋の場合、「生花小売業」と書く記入例が一般的です。園芸用品も扱うなら「生花・園芸小売業」などでも構いません。この記事の記入例(例)はあくまでサンプルで、法的に決まった唯一の書き方があるわけではありません。「事業の概要」欄に、生花・鉢花の小売やアレンジメントの製作販売など、実際にやることを具体的に書いておくと分かりやすくなります。
開業届はいつまでに出せばいいですか?出さないとどうなりますか?
開業届は、事業を始めた日から原則1ヶ月以内の提出が目安とされています。提出が遅れても直ちに罰則があるわけではありませんが、屋号名義の口座開設や創業融資・補助金の申請で「開業の証明」として控えを求められることがあるため、早めに出しておくのが安心です。青色申告承認申請書には開業から2ヶ月以内という期限があるので、こちらは特に注意してください。
店の前の歩道に花を並べたいのですが、届出は必要ですか?
歩道など「道路」に商品や置き看板を並べる場合は、所轄の警察署へ道路使用許可が必要になることがあります。要否や手数料、添付書類は場所や自治体によって異なるため、並べ方を決める前に所轄署の交通課へ相談するのが確実です。私有地(店の敷地内)に置く分には対象外となるのが一般的ですが、はみ出しには注意しましょう。
届出はオンライン(e-Tax)でもできますか?
はい。税務署への開業届や青色申告承認申請書は、e-Taxを使えばオンラインで提出できます。マイナンバーカードとスマホ(またはICカードリーダー)があれば自宅から手続きでき、提出の控えは受信通知で確認できます。窓口へ行く時間が取りにくい開業準備期には便利な方法です。詳しい対応状況は国税庁の案内でご確認ください。

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