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💡 このページは『DXとは何か——デジタル化との違いと着手の順番』の関連記事です。

HOW TO COUNT

メリットは、比較する相手を決めて初めて見える

DXのメリットを調べると、「業務効率化」「生産性向上」「競争力の強化」といった言葉が並びます。 間違いではありませんが、これらは導入を判断する材料にはなりません。比べる対象が示されていないからです。

比較すべきなのは

導入にかかる費用 ではなく
今のやり方を続けたときに失い続けるもの

月に何時間、何件、いくら。この3つのどれかで数えられれば、判断できます。

以下では、中小企業や店舗が実際に受け取ることの多い効果を7つに整理します。 それぞれ「何で測れるか」を添えました。自社の数字に置き換えて読んでみてください。

SEVEN BENEFITS

実際に受け取ることになる7つ

上ほど早く出て、下にいくほど時間がかかります。

MERIT 01

作業時間が、まとまって戻ってくる

転記、集計、日程調整、印刷。人がやらなくてよい作業を外すと、月あたりで数時間から数十時間の単位で時間が空きます。測り方:対象業務にかかっていた月間の時間。ここは最も早く、最も確実に効果が出る部分です。

📥

MERIT 02

取りこぼしていた依頼が、拾えるようになる

営業時間外の問い合わせ、電話中にかかってきた別の電話。これまで記録にすら残らなかった機会損失が可視化され、受け取れるようになります。測り方:時間外に入った予約・問い合わせの件数。

🔓

MERIT 03

人に貼りついていた情報が、共有される

常連客の好み、取引先の事情、対応の経緯。特定の担当者の頭の中にある情報は、その人が休めば止まり、辞めれば消えます。測り方:引き継ぎにかかる日数、担当者不在時に止まる件数。

MERIT 04

単純なミスが、構造的に減る

二重予約、請求漏れ、入力間違い。人の注意力に依存していた部分を仕組みが受け持つため、頻度が下がります。測り方:月あたりのミス発生件数と、その対応にかかった時間。

📊

MERIT 05

勘ではなく、記録で決められるようになる

どの時間帯が混むか、どの層が再来しているか、どの経路から来ているか。データが貯まると、仕入れ・人員配置・販促の判断が変わります。測り方:判断の材料に使えた指標の数。ここは半年から1年かかります。

🧑‍💼

MERIT 06

働く条件が整い、人が集まりやすくなる

紙と電話と手作業が前提の職場は、それだけで選ばれにくくなっています。逆に、無駄な作業が少ない職場は定着率が上がります。測り方:採用の応募数、離職率。

🛡

MERIT 07

何かあったときに、事業が止まらない

情報が紙とその場所にしかない状態は、災害や感染症で出社できないときに事業が完全に止まります。クラウドに置かれていれば、場所が変わっても続けられます。測り方:業務を止めずに継続できる範囲。

IN PRACTICE

1つの業務で、どれくらい変わるのか

予約受付を例に、前後を並べてみます。

項目電話と手書き台帳仕組みに置き換えた後
1件あたりの対応3〜5分(着信・確認・記入)0分(自動で確定)
受付できる時間営業時間内のみ24時間
無断キャンセル連絡手段がない前日通知で減らせる
来店の記録台帳を遡らないと分からない自動で蓄積・検索できる
再来店の案内思い出した人にだけ条件で抽出して送れる

仮に1日10件の電話予約があり、1件4分かかっているとすれば、月に約20時間。人件費に換算する前に、まずその20時間で何ができるかを考えてみてください。

そして重要なのは、2つ目の列の効果は自動的には手に入らないということです。記録が貯まっても、見なければ判断は変わりません。次の章がその話です。

CONDITIONS

メリットが本当に出る会社の条件

同じツールでも、ここが違うと結果が変わります。

🎯

変える業務を、1つに絞っている

同時に複数を変えると、効果の切り分けができず、現場も混乱します。1つ終えてから次へ。

📏

比べる数字を、先に決めている

導入前に「何をどれだけ変えたいか」を数字で置いておくと、効果があったかを判断できます。

🙋

現場が、決定に参加している

実際に使う人が設計に関わっていないと、運用が実態に合わず、紙が併用されます。

🚫

旧来のやり方を、止めている

新旧を並行させると、作業は増えます。切り替えの日を決めて、片方をやめる判断が要ります。

👀

貯まったデータを、見る日がある

月に一度でも見る習慣があるかどうかで、記録が資産になるか、ただの履歴で終わるかが分かれます。

🔁

小さく直し続けている

最初の設定が完璧である必要はありません。使いながら直せる体制のほうが、結果的に定着します。

THE OTHER SIDE

メリットだけを並べても、判断はできない

負担側も正直に置いておきます。

慣れるまでは、いったん遅くなる

新しい手順に切り替えた直後は、以前より時間がかかります。この期間を「失敗した」と判断して戻してしまうのが、最も多い失敗です。1〜2か月は見込んでおいてください。

月額費用は、使い続ける限り発生する

クラウドのサービスは買い切りではありません。その代わり、削減できる時間と取りこぼしの回復が上回っていれば、負担にはなりません。比較すべきは金額の大小ではなく、差し引きです。

設定と移行に、人の時間がかかる

既存データの整理や初期設定は、誰かがやる必要があります。ここを見込んでいないと、繁忙期と重なって頓挫します。

全員が同じ速さで慣れるわけではない

慣れるまでの時間には差が出ます。操作が苦手な人に合わせた最小限の手順書を用意できるかどうかが、定着の分かれ目です。

止まったときの備えが要る

通信やサービス側の障害で使えない時間が発生する可能性はあります。その間どう回すかを決めておけば、致命傷にはなりません。

私たちが関わっているのは、この中の予約と顧客管理という限られた領域です。 ただ、効果が出る条件は領域を問わず同じでした。1つに絞る、数字を決める、旧来のやり方を止める。 この3つが揃っている現場は、規模に関係なく結果が出ています。

自社の場合を相談する

FAQ

DX化のメリットについて、よくある質問

Q. 効果はどれくらいで出ますか?
作業時間の削減は、運用が定着すれば1〜3か月で見えてきます。データを判断に使う段階の効果は、記録が貯まるまでの期間が必要なため、半年から1年で考えてください。
Q. 費用対効果は、どう計算すればよいですか?
削減できた時間を人件費に換算した額と、取りこぼしが減ったことで増えた売上を足し、月額費用と比べます。時間だけで計算しても、多くの場合は判断がつきます。
Q. 小規模でもメリットはありますか?
人数が少ない現場ほど、1人が抱える作業の割合が大きくなります。数時間空くだけで手が回る範囲が変わるため、規模が小さいほど体感は大きくなる傾向があります。
Q. 従業員が反対しています。どうすればよいですか?
反対の理由が「仕事が奪われる不安」なのか「操作が面倒」なのかで対応が変わります。前者なら空いた時間を何に使うかを先に示し、後者なら手順を絞って負担を下げてください。
Q. どの業務から変えると効果が大きいですか?
時間がかかっていて、かつ人の判断がほとんど要らない作業です。予約の受付、日程調整、請求書の作成、集計作業が代表例です。
Q. 一度導入したら、それで終わりですか?
終わりません。業務も客層も変わるため、設定は使いながら直していくものです。逆に、直せる形にしておくことが最大のメリットとも言えます。

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