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🌏 インバウンドのきほん
ニュースでよく聞く「インバウンド需要」。むずかしそうな言葉ですが、 中身は「外国から日本に遊びに来た人が、お金を使ってくれること」——ただそれだけです。 そのお金がどこへ流れ、なぜ町ぜんたいが元気になるのか。たとえ話で、いちから順番に見ていきましょう。
言葉の意味
「外から来る」+「ほしい」
お金の流れ
宿→お店→町へ広がる
お店にとって
チャンスと準備の話
📗 このページは『観光地の店舗集客ガイド』の関連記事です。観光地でお店をどう知ってもらうか、実践的な話は親記事へどうぞ。
WHAT IT MEANS
「インバウンド需要」は、いっぺんに読むとむずかしく感じます。でも、2つの言葉をくっつけただけなんです。 ひとつずつ、ばらして見てみましょう。
「バウンド」はボールが弾んで向かってくるイメージ。つまり「こちら(日本)の中に入ってくる」こと。旅行でいえば、外国から日本へやって来る旅行者のことを指します。反対に、日本から外国へ出かけるのは「アウトバウンド」といいます。
「需要(じゅよう)」は、ちょっとかたい言葉ですが、意味は「ほしい・買いたい・したい」という気持ちのこと。アイスがほしい人がたくさんいれば「アイスの需要が高い」。旅行者が「泊まりたい・食べたい・買いたい」と思う気持ちが、そのまま需要です。
2つをくっつけると、「日本に来た外国からの旅行者が、お金を使いたいと思っている状態」。この人たちが実際にお金を使うと、宿やお店の売上になります。ニュースの「インバウンド需要」は、だいたいこの意味で使われています。
💡 ひとことで言うと
インバウンド需要 = 外国から日本へ遊びに来た人が、日本でお金を使ってくれること。むずかしい言葉ですが、中身はとてもシンプルです。
THE MONEY FLOW
ここが今日いちばん大事なところ。ひとりの旅行者が持ってきたお金が、どんなふうに町へ広がっていくのか。 「アメリカから来たトムさん」が、ある町に1泊する場面を思い浮かべてみましょう。
トムさんは夜、宿(ホテルや旅館、民泊)に泊まります。ここで宿にお金が入ります。宿はそのお金で、そうじをするスタッフにお給料を払い、シーツを洗う会社にお金を払い、朝ごはんの卵や野菜を農家から買います。旅行者の1泊のお金は、宿だけで止まらず、まわりの人へ分かれていきます。
お昼にトムさんはラーメン屋さんへ。ここで飲食店にお金が入ります。お店はそのお金で、麺を作る製麺所や、野菜・お肉を売る八百屋さん・お肉屋さんから材料を買います。トムさんが1杯食べただけで、そのお金は町のいろいろなお店へ小分けになって流れます。
おみやげ屋さんで、お菓子や工芸品を買います。ここで小売店にお金が入ります。外国人旅行者は「免税(めんぜい)」といって、税金の分だけ安く買えることがあり、たくさん買ってくれることも。売れた分、お店は次の商品を仕入れ、作っている職人さんにもお金が回ります。
午後は漁船で魚つり体験や、着物のレンタルを楽しみます。ここで体験サービスの人にお金が入ります。ガイドさん、船の持ち主、着物屋さん……。「モノ」だけでなく「体験(コト)」にもお金が使われるのが、最近のインバウンドの特ちょうです。
🔁 ポイント:お金は「バケツリレー」で広がる
トムさんが払ったお金は、宿→農家→スタッフ……とバケツリレーのように次の人へ手わたされていきます。 最初の1万円が、いろいろな人の手を通るあいだに、町ぜんたいでは何度も使われる。 だから旅行者ひとりの買い物が、じつは思ったより大きな力になるのです。 (どれくらい広がるかは町や時期でちがうので、あくまで「そういう傾向がある」と考えてください。)
WHY IT HELPS THE TOWN
旅行者が来ると、お店ひとつが儲かるだけではありません。町にとって「うれしいこと」がいくつも重なります。 むずかしい言葉を使わずに、順番に見てみましょう。
町の人どうしでお金を使い合うだけだと、町の中でお金がぐるぐる回るだけ。でも旅行者は「よその土地のお金」を持ってきてくれます。町にとっては、外から水がそそがれるようなもの。全体で使えるお金の量が増えるので、これは大きいのです。
旅行者が増えると、宿・お店・ガイド・送りむかえのバスなど、人手が必要になります。すると新しい仕事(働く場所)が生まれます。仕事が増えれば、その町に住み続けられる人が増え、若い人が町を出ていきにくくなります。
地元の人には当たり前すぎて売れなかった景色・郷土料理・昔ながらの工芸品。旅行者には「めずらしい宝物」に見えます。眠っていた地元の魅力が「売り物」になり、作り手さんの収入につながります。
人が集まると、道の案内板をわかりやすくしたり、まちなみをきれいにしたりする動きが出ます。旅行者のために整えたものは、そこに住む人にとっても便利で気持ちよいもの。町の「住みごこち」がよくなることも少なくありません。
ただし、良いことばかりではありません。人が集まりすぎて、ゴミやマナーの問題、ふだん暮らす人の不便が起きることもあります (「オーバーツーリズム=観光公害」と呼ばれます)。町にとって"ちょうどよい量"を考えることも、これからの大切なテーマです。
UPS AND DOWNS
海に満ち引きがあるように、旅行者の数にも波があります。「いつも同じだけ来る」わけではありません。 なぜ波ができるのか、代表的な理由を見てみましょう。
桜の春、雪の冬など、日本には季節ごとの見どころがあります。「桜が見たい」「スキーがしたい」という目的で来る人は、その季節に集中します。反対に、これといった見どころがない時期は静かになりがちです。
大きなお祭り、花火大会、スポーツの国際大会などがあると、その時期に旅行者がどっと増えます。イベントは「来る理由」になるので、町にとっては大切な集客のきっかけです。
旅行者は、自分の国が連休のときに動きます。国によって長いお休みの時期はバラバラ。だから「どの国のお客さんが多いか」で、混む時期も変わってきます。
「円が安い(円安)」と、外国の人にとって日本の旅行がお得になり、来やすくなります。反対に、災害・病気の流行・世界情勢などがあると、ぱたっと減ることも。外の出来事に影響されやすいのが特ちょうです。
波があるということは、「多い時にしっかり受け止める準備」と、 「少ない時の工夫」の両方が大事、ということ。 この「準備」の話が、お店にとってのポイントにつながります。
FOR YOUR SHOP
ここまでは町ぜんたいの話。最後に、実際にお店をやっている人の目線で考えてみます。 インバウンド需要は、うまく受け止められれば大きなチャンス。でも、なにも準備していないと取りこぼしてしまいます。
・新しいお客さんが増える
・平日や静かな時期の売上をおぎなえる
・地元の名物・体験に新しい価値が生まれる
・SNSで世界に紹介してもらえることがある
・かんたんな英語メニューや写真の案内
・スマホ決済など、いろいろな支払い方法
・地図アプリやSNSで見つけてもらう工夫
・「予約」を受けられるようにしておく
とくに大事なのが、いちばん最後の「予約を受けられるようにしておく」こと。 旅行者は、その町にいる時間が決まっています。「行ってみたら満席・定休日だった」となると、 その一度きりのチャンスは消えてしまいます。来たいと思ってくれた瞬間に、受け止められる入口を用意しておくことが、 お店にとっての小さな、でも効く準備です。
CATCH THE DEMAND
インバウンド需要を売上に変える最後のカギは、じつは特別なことではありません。 「予約したい」と思ったその場で、すぐ予約できるようにしておく——ただそれだけです。 旅行者は時差のある国から見ていることも多く、お店が閉まっている夜中や早朝に「予約したい」と思うこともあります。
電話だけの受付だと、営業時間外や言葉のかべで取りこぼしがち。 地図アプリやSNS、ホームページから24時間そのまま予約できる導線を用意しておくと、 同じ「来たい人」の数でも、実際の来店につながる割合は変わってきます。
この記事を運営する株式会社アンカーリンクは、LINEとつながる予約・顧客管理の仕組み(リピタス/RepiTas)を手がけています。 地図やSNSで見つけてくれた方を24時間受け付け、来店後の「また来てね」までスムーズに。 「観光地でまず何から始めれば?」というご相談だけでも歓迎です。むずかしい機能を無理にすすめることはありません。
予約の受け皿づくりを相談するMINI DICTIONARY
ニュースでよく出てくる言葉を、かみくだいて集めました。「聞いたことはあるけど意味は…」を、ここでスッキリ。
外国から日本へ入ってくること。とくに、外国から日本に来る旅行者や、その旅行のことを指します。
インバウンドの反対。日本から外国へ出ていくこと。日本人が海外旅行に行くのがこれにあたります。
日本を訪れている外国からの人のこと。ニュースでは「訪日客」と短く言うこともあります。
「ほしい・買いたい・したい」という気持ちや、その大きさ。反対の言葉は「供給(=売る側が用意できる量)」です。
外国人旅行者などが、決められた条件のもとで、買い物の税金の分だけ安く買える仕組み。おみやげをたくさん買ってもらうきっかけになります。
インターネット上で宿や体験を予約できるサイトのこと(旅行予約サイト)。旅行者はここでお店を見つけて予約することが多いです。
団体ツアーではなく、自分たちで計画して自由に旅する「個人旅行者」のこと。最近はこのタイプが増えている傾向です。
モノ(品物)を買うだけでなく、体験や思い出(=コト)にお金を使うこと。魚つり体験や着物レンタルなどがその例です。
人が集まりすぎて、ゴミ・混雑・マナーなどで地元の暮らしに困りごとが起きること。「観光公害」とも呼ばれます。
円と外国のお金を交換するときの割合。「円安」だと外国の人には日本旅行がお得になり、来やすくなる傾向があります。
※ 用語の説明は、はじめての方にも分かりやすいよう、かんたんな言葉にまとめたものです。制度の細かい条件などは、それぞれの公式な案内でご確認ください。
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